えだまめのもり

つくってあそぶ

CNC-設計編⑤駆動機構-タイミングベルトなど

前回の更新から1ヶ月以上あいだがあいてしまった。なにもしていなかったわけではなく製作は順調に進行中。記事をかくのがだるかっただけです。はい。

今回は駆動機構のなかでもとりわけ送り機構について。

送り機構は一般にモータの回転運動から軸の直動運動に変換するもの。だいたい以下のようなものがある。

タイミングベルト

歯のついたゴムベルトと歯付きプーリを組み合わせて使用する。軽量でメンテナンスも容易だが、変形しやすくあまり大きな力を伝達できない。剛性の確保のために、ベルト内にグラスファイバーや金属線が入っているものがおおい。

3Dプリンタなどで使われることが多いGT2やGT3といった規格の歯形状のものはバックラッシが非常に少ないらしい。

バックラッシュ(Backlash, バックラッシとも呼ぶ)とは、機械に用いられる送りねじ、歯車などの互いにはまりあって運動する機械要素において、運動方向に意図して設けられた隙間のこと。この隙間によってねじや歯車は自由に動くことができる。しかし、ある方向に回転していたものを逆の方向に回転させたとき、寸法のずれや衝撃が生じることがある。

バックラッシュ (機械) - Wikipedia

かなり乱暴に言うとバックラッシが少ないほど送り機構の精度はよくなる。

海外有志が3Dプリンタに使われているタイミングベルトについてまとめたwiki。ほとんどがGT2を使用している。

http://reprap.org/wiki/Belts_and_Pulleys

AliExpressで調べてみるとこんなかんじ。ベルト幅w=6mm x L=5m、歯付きプーリ付きで15$くらい。

3Dプリンタに使われているような細いベルトを今回のような仕様のCNCのにつかうのはいささかマズい気がするので、もう少し幅広のものをさがしてみる。ベルト幅9mm~20mmで10~20$/5m前後。使用するならばこの辺だろうか。

台形ねじ

山が三角でなく台形のねじ。大きな力の伝達が出来るのと、バックラッシが普通のねじに比べて小さいのが特徴。3Dプリンタに採用されることも多い。 が、2000mm以上のものが見つからなかったので省略。

ボールねじ

いちばん性能のよいもの。円弧状のねじの谷に小さい金属球がころがることで摩擦、バックラッシともに少なく、大きな力の伝達もできる。

GearBoxRotLinScrew.gif
By W.Rebel - 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, Link

一般にとても高価だが、AliExpressで探すとたくさんある。 2200+1250+550mmのC7等級ボールねじとリニアレールのセット。630$くらい。

www.aliexpress.com

国内品と比較しても価格も安いし精度も出そうなので、精度を重視するならこれだろう。ただ、発送重量が46kgと書いてありあまりにお手軽でないことから今回は見送った。

ラックアンドピニオン

今回参考にしているF-117CNCが採用しているもの。

ラックアンドピニオンとは、

ラック・アンド・ピニオン(rack and pinion)とは歯車の一種で、回転力を直線の動きに変換する。ピニオンとよばれる小口径の円形歯車と、平板状の棒に歯切りをした(歯がつけられた)ラックを組み合わせたもの。ピニオンに回転力を加えると、ラックが歯すじ設定された末端まで水平方向に動く。日本ではラック・ピニオンと略されることもある。 ラック・アンド・ピニオン - Wikipedia

Rack and pinion animation.gif
By OSHA Directorate of Technical Support and Emergency Management - Point of Contact Between a Rack and Pinion. オリジナルのアップロード者は英語版ウィキペディアBrian0918さん, パブリック・ドメイン, Link

wikipediaにたよりすぎ。 Aliしてみたがいいものは見つからず、ミスミにあるのはこのへん。加工にもよるが、1mあたり約9000円くらいから。国内品はやはり高い。

まとめ

まとめてみるとこんなかんじ。

タイミングベルト 台形ねじ ボールねじ ラックギヤ
価格
入手性
重さ
精度

できるだけ安く済ませたいのと、引き継ぎの関係からメンテナンスも容易であるほうがいいので、タイミングベルトを採用することにする。

そろそろ製作記に入りたい...