CNC-設計編④駆動機構-モータ
駆動モータの選定
次はXY軸の送り機構と言っていたが気が変わったので今回は軸の駆動モータについて。
設計前からステッピングモータを使うことはほぼ決まっていた。ACサーボ等に比べてずっと低コストで制御もかんたん。
ところでステッピングモータにはオープンループタイプとクローズドループタイプの二種類ある。
一般的なのはオープンループで、回転角度を制御にフィードバックしない方式。センサが無いぶんつくりや制御が単純で扱いやすいが、過負荷時には脱調(入力に同期しなくなること)することがある。
クローズドループタイプはロータリーエンコーダ等で常時回転角度を検出しながら制御する方式。このためオープンループで起こる脱調が発生せず信頼性が高い。ただし高価で専用のドライバ回路も必要になる。 AliExpressみてみると、モータ+ドライバ1ユニットのセットで109$。やはりお高め。
そんなわけでお金もないので、すべてオープンループタイプのステッピングモータを使うことにする。
AliExpress探すと、門型なのでX軸、Y軸x2、Z軸の計4つ必要なのでよさそうなのはこの辺。 4軸CNC用セットで、電源・モータ4基・ドライバ4基・I/Fボードが全部入りで送料込み190$。相変わらずくそやすい。fakiki.comとかの中古品よりも安いとなると中華パワーこえぇってなる。
ステッピングモータを選ぶときは、ステップ数(1パルスの軸回転角)、保持トルク、消費電流がたいせつ。 上の商品のステッピングモータは、
57J1876-447
• 2 phase 1.8° stepping angle
• NEMA 23
• Holding toque of 2.2 N*m (312 oz-in)
とあるので、
ステップ数は360°/1.8=200stepで標準的なステッピングモータ。
よく見かけるNEMA23とかいうのはステッピングモータの規格。
保持トルクは2.2Nm(22.4kgf・cm)とかなり強い。
また、消費電流は型番で調べると4.7Aのようだ。Hybrid stepper motor 2 phase nema 23 57J1876-447
特に消費電流についてはドライバの定格電流とも関係してくる。 ドライバの仕様は、
TB6600 Single Axis Stepper Motor Driver
• Output current up to 5.0A.
• Suitable for 2-phase and 4-phase motors.
• 1, 2, 4 (New Mode), 8, 16 adjustable microstep control, motors run more precisely and smoothly.
最大5Aとあるのでこれならモータをドライブできるだろう。と思ったが、このドライバに乗ってる東芝のTB6600は、定格最大電流が4.5Aで絶対最大定格が5.0Aとなっている。
TB6600データシート(pdf)
おいおい大丈夫かという感じだが、見たところ出力電流を指定できるようなので4.2Aとかで運用すればおそらく問題ないだろう。
さいごにI/Fボードについて。
セットのボードはパラレル接続の5軸ブレークアウトボード。ステッピングモータ出力に加えて、各種リミットスイッチやスピンドルモータ制御用のピンがある。
それと、Mach3に完全対応と書いてあるので、ソフト面では安心。
ただ、レガシーなパラレル接続が不安なので、Arduinoベースのgrblシールドから制御信号だけ取り出して使ってみることも検討中。調べるとgrblベースのCNCソフトウェアも充実してきてるようだし。
aitendoのCNCシールド。左側のSTEP/DIRを直接上のモータドライバに接続すれば。。。という感じ。
ひとまずモータまわりについてはこんなかんじのものを使うことに。
次はXY軸の駆動機構についてかく。