えだまめのもり

つくってあそぶ

CNC-設計編②基本構造

イチから設計するのはたいへんだるいので Hytech2kさんの作例を参考にさせていただくことにした。F-117 CNCと呼んでいるようだ。
基本構造にアルミフレーム、直動機構にOpenRail、送り機構にピニオンギアを使用している。

フレーム

基本的にミスミのアルミフレームを使用することにした。利点として、

  • 加工が不要
    加工不要でボルト締結だけで組立可能なので、手間いらずである程度の精度を出せる。注文時にmm単位で寸法指定できて素人の加工よりもよほどよい仕上がり。

  • 普及している
    多くのオープンソースなCNCはアルミフレームを使用しているものが多い。 また、普及している分さまざまなパーツも中華なサードパーティから安く購入することができる。

  • 汎用性が高い
    アルミフレームはいろんなことに使えるので、もし不要になっても役に立つ。

また、あとに書くように直動機構にOpenRailを採用することにしたので、アルミフレームを使用する必要があった。

以下詳細

ワークテーブル部

当初一番安い20x20mmのアルミフレームでもいいかと思ったが、剛性がないとどうしようもないので最終的にF-117CNCを真似て20x40のアルミフレームを使用。

Y軸

いちばん長い2本のy軸は荷重による変形がおこりやすいので、20x80のアルミフレームを使うことにした。

ワークテーブルとY軸はまとめるとこんなかんじに。左右両側のフレームがy軸。t=5のA5052アルミ板で端部、t=3のアルミアングルで内側面を固定する予定。 f:id:azurewood:20180228141048p:plain

X軸

X軸は両端でしか支持できないため、たわみを少なくする剛性の高い40x80のアルミフレームを使用。

X軸の支柱

多くの作例を見ると、t=10くらいのアルミ板を使用しているものが多い。 ShapeokoもY軸から板でX軸の両断面を支持している。

f:id:azurewood:20180228143902p:plain http://carbide3d.com/shapeoko/

ただこの方法は支柱の板厚方向の荷重に弱く高さをかせげないのと、支柱の間の距離とX軸の長さが正確に合っていなければならず精度を出すのがむずかしそう。

これなら使えるのではないかと思われた、モノタロウにあったエヌアイシ・オートテックのA6063アルミ等辺アングル。これでx軸の前面両端を支持することにすれば、コンパクトではないがいろんな心配事が減る。

安価でよさそうな大型のアルミ等辺アングルはこのくらいしか見つからなかった。板厚は5~10mm、辺寸法は30~90mmでたくさんのラインナップがある。こういうものから選定するときは視覚的に比較するとわかりやすい。
ケチなので欲しいのは断面性能と価格のバランス。横軸を1mあたりの価格、縦軸を断面二次モーメントで散布してみると、

f:id:azurewood:20180228145745p:plain

どれがどれだかわからないグラフになってしまっているが、左上ほどコスパがよいということになる。そうすると5040円でI=66.9×104 mm4なのはAFEL-9005。これがよさそう。実際、支柱長さ500mmで10kgfの切削抵抗がはたらいたときの変位を片持ち梁で単純計算しても0.04mm程度なので今回の仕様では十分だろう。

Z軸

Z軸はコンパクトに直動機構や送り機構もまとめないとならないため、出来合いのものを買ったほうが楽だと判断。 AliExpressなどで探すといろんなものがある。たとえばこんなもの

f:id:azurewood:20180228142637p:plain https://www.aliexpress.com/store/product/linear-motion-module-200mm-Travel-length-Ballscrew-1605-Sliding-Table-linear-sliding-rail-systems-stepper-motor/516903_32600066607.html

ボールねじ+リニアシャフト+カップリング+ステッピングモータ全部入りで送料込み100US$程度。これを日本製のもので揃えたら一体いくらになるのだろう。精度云々は置いといて中国やばい。
ワークサイズを考えて、移動可能量は200~400mm程度のものを選択する予定。

次はx,y軸の直動機構と送り機構について。